【レタス、キュウリのお友達】とっても濃厚な肉味噌
プロローグ
今から約30年前の話である(だから家庭にPCなどないし、街にはコンビニもないし、コピーも一般人には普及していなかった頃の話)。小学生の頃のこと。友人のノートの表紙に書かれた名前がまるで印刷されたかのようだった。
「これはすごい。どうやって書いたの?」と尋ねたら、家に招かれ、(おそらく彼の親の仕事関係なのだろう)レタリングの分厚い本を見せてもらった。
さっそく家に帰って、“ちょっと大き目の字の本”から自分の名前の漢字を探し出し、定規であちこちの長さを測って、書いてみた。
滅多に褒めるこのとない親が「なかなか良い」と言ったことが、私には嬉しかった。
それ以来、その友人と“なんでもかんでも明朝体”で書いて遊んでいた。遠足のしおりの表紙を先生から任されたのも良い思い出だ(そう言えば、しおりを「ガリ版」で書いたし、印刷機を手で回したっけか)。
ある日、友人のノートに書かれていた名前が明朝体ではなかった。
まるで細長い風船のような柔らかい形状で立体的に陰をつけている“モノ”を組み合わせて”字”にしていた。とても素晴らしかった。
友人は“その書き方”を教えてくれようとしていたが、私は「それは、真似をしてはいけないものだ」と思った。
結局、それに匹敵するようなアイデアを生み出すことができなかった私はずっと明朝体を書き続け、友人はどんどんアイデアを追加していった。
私が「才能」というものの存在をはっきりと理解したのは、たぶんその時だ。とても幸せな体験だった。
合い挽き肉を丁寧に炒めながら、その単調な繰り返し作業でありながら幸福でもある感覚に、ひたすら線を描き続けていた幸福感に包まれていた昔のことを思い出していた。
材料
合い挽き肉 | 250g |
にんにく | 2かけ |
しょうが | 1かけ |
ニラ | 1/4束 |
ごま油 | 適量 |
調味料
味噌 | 大さじ3 |
砂糖 | 大さじ2 |
料理酒 | 大さじ2 |
みりん | 大さじ1 |
甜麺醤 | 大さじ1 |
作り方
- 準備
- にんにくをみじん切りにする
- しょうがをみじん切りにする
- ニラは1cm以内の長さにざくざく切っておく
- ニラは最後に入れるので別に置いておく
- 炒め
- フライパンを強く熱しておく
- ごま油を入れる(気持ち多め)
- にんにく、しょうがを入れ、ざざっと炒める
- 合い挽き肉を入れ、パラパラというかボロボロというか、そういう感じになるまで丁寧に炒める
- 調味料を入れ、全体をかき混ぜながら、水気がなくなる直前まで炒める
- 最後の最後にニラを入れ、ざざっと混ぜ、軽く火が通る程度で終了
- の、つもりが思いのほか水分があって(たぶんニラから出た)結構炒めてしまった。
考察、反省
- ちょっと炒め過ぎた、が、これはこれでイケる
妻、家族の反応
- 妻:レタスやキュウリをさっさと用意して自分の世界に入って行った
- 娘(中学生):私「いや、これは大人のだから」・・・「え?何?おいしいから食べる」
- 娘(小学生):まだ口に合わない